ホーム回復のための方法論


はじめに重症の人へ、うつ病の人へ
 Ver 1.0 1999/06/25


重症の人へ
 このホームページは、自分自身と向き合える程度の状態の人を想定して作っています。自殺願望の強い人や、精神的に混乱しているような人にとっては、場合によっては有害となる可能性があるかもしれません。自分を見つめ、自分の心理を分析してゆくためには、ある程度の精神的な冷静さと、体力を必要とします。身も心もボロボロの状態で自分の心をいじることは、場合によっては危険であるかもしれません。このホームページは、すぐに問題を解決できるような手段を提供するものではありません。自己分析によって、自力で状態を多少でも改善しようと試みるものです。ですので、状態を改善するには時間がかかりますし、自己洞察ができる程度の精神状態が必要となります。いま混乱した状態であるなら、読まない方がいいかもしれません。リストカット(手首を切る)などの自殺未遂を繰り返す人の場合は、自力で何とかするよりは、できればセラピストから治療を受けた方がいいでしょう。また、境界例はうつ病状態のことも多いのですが、うつ病の人も、その状態では自己分析は危険ですので、読まない方がいいかも知れません。もし、それでも読んでみたいと思われる場合は、自分の責任で読んでください。

うつ病の人へ
 たしかに境界例は神経症とうつ病などとの境界領域を指しますが、うつ病の人には、違った対応が必要となります。境界例のリストカットなどの自殺企図とうつ病の自殺願望は異なります。とは言っても、境界例とうつ病がはっきりと分かれているわけではなく、連続していたりします。

 うつ病とはだいたい次のような症状のある場合です。

  • 憂うつな気分が支配的である。

  • 深夜に目が覚めて、もう一度寝つこうとしてもなかなか寝つけない。このようなことがよくある。

  • 午前中はボーとしているが、夕方ごろになると少し状態が良くなってくる。

  • 不眠または睡眠過多が続く。

  • 理由もないのにイライラしてじっとしていられない。

  • 日常の活動への興味や意欲がひどく低下し、ちょっとしたことをするにもひどくおっくうだ。

  • 自分が生きていることに罪悪感を持つ。この世から消えてしまいたいと思う。

  • 人に励まされるとますます落ち込む。

  • 食欲の減退と著しい体重の減少。

 このような症状のある人はうつ病の可能性があります。病院に行って診察を受けた方がいいでしょう。うつ病は薬で治すことが出来ます。この六月に SSRI という、非常に効果があって、しかも副作用の極めて少ない抗うつ剤が認可されました。アメリカで「プロザック」などの商品名で発売されて、話題になっていた画期的な薬です。うつ病の人は、自己分析をするよりも、まずはこのような薬によって、うつ状態を改善してください。うつ病を自己分析だけで治すことは困難ですし、危険です。このホームページは、うつ病は想定していません。ですから、励ましの言葉を読んで、逆に落ち込んでしまうようなこともあるでしょう。励まされても頑張れない自分に直面して、傷ついてしまい、逆効果となります。

 うつ病で注意しなければならないことは、症状が改善して自殺を実行できるだけの気力が出てきたときです。完全なうつ状態にあるときは、死にたくても実行する気力さえ失われていたりします。自殺を実行できる気力の残っている、うつ状態に入り込んでいく時期と、うつ状態から回復してゆく時期が要注意です。しかし、境界例型の場合は、これほどはっきりとしたうつ状態を示すわけではありませんので、もし、自分に思い当たるところがあったら、自己分析をするよりも診察を受けてください。

 ( ― と、警告を書いても、うつ状態の強い人も読んでいるようなので、うつ病の精神療法についても書かなければならないかなぁ……)