ホーム回復のための方法論


自分を見つめるための小道具 
 Ver 1.0 1999/07/27


 自分を見つめるときに、ちょっと役に立ちそうなことなどを書いてみたいと思います。

 自分の内面に集中するときに、わざと部屋の照明を落として、豆電球だけにするとか、あるいは手元のスタンドの明りだけにするとか、そう言った室内の明りの演出によって、内面へ集中が高まります。気合いを入れて、何かの問題について考えてみようとするときに、こんな普段とは違った照明の使い方が、集中力のアップに役に立つかもしれません。

 机に向かって、じっくりとものごとを考えているのもいいのですが、部屋の中を歩き回ったりすると、何かひらめいたりすることがあります。私も行き詰まったときに、部屋の中をぐるぐると歩き回っていることがあります。

 布団やベッドのそばに、筆記具とメモ用紙をおいておくと、これも結構役に立ったりします。寝つけないときに、いろいろな考えが浮かんでは消えるのですが、そういったことをメモしておくと、後で役に立ちます。こういった、取りとめのないような考えは、メモでもしておかないと、すぐに記憶から消えてしまいます。また、メモ用紙は、朝起きたときに、夢の内容を簡単に書きとめておくのにも使えます。これも後で夢の分析をするときに役立ちます。

 それと、普段使う枕の他に、もうひとつ「抱き枕」を用意しておくと、これが結構役に立ちます。分離不安などに直面して不安になったり、何か精神的に居心地が悪いような感覚に囚われたときに、枕を抱くことによって、不安感が軽減されます。何かにすがりつきたいとか、何かにしがみつきたくなるような精神状態の時に、両手で枕をしっかりと抱いて、胸に押しつけるようにするのです。そうすると、精神的に安定してきます。絶対的なものではありませんが、「ある程度」は効果があります。

 寝るときに細長い枕を両手で抱いたり、股の間にはさんだりして、胸や下腹部を圧迫してやると、どういうわけか落ち着きます。やったことのある人はこの感覚はわかると思いますが、まだやったことのない人は、だまされたと思ってやってみてください。頭を乗せる枕と、抱いて寝る枕の二つがあると、安眠できます。私の場合は、抱き枕の上に覆い被さるようにうつ伏せになって、胸が枕で押されるような形で眠ると、なぜか深い熟睡が得られます。必ずしもすべてに人に当てはまるわけではないでしょうが、不安感の強い人は、ある程度は、枕を抱くことで状態が改善されるのではないかと思います。不安なときや、眠るときだけではなくて、内面を見つめるときにも、枕を両手で抱いてみると、また違った感覚が生まれてきます。枕の抱き方を、自分なりに工夫してみるのもいいかもしれません。

 枕を抱くというのは、一種の退行ではありますが、幼いころに満たされなかった愛情を、遅ればせながら枕を抱くことによって、わずかながらでも補える、という効果もあります。一人で自己分析をやっていると、誰も自分を支持したり、励ましてくれる人がいないので、寂しくなることもあります。そんなときにも、枕が「多少」は役に立ったりします。(パートナーのいる人は、もちろん、パートナーとも抱き合ってみてください)

 また、枕は怒りの感情がわいてきたときに、殴ったり、蹴っ飛ばしたりといった使い方も出来ます。枕を誰か憎い人に見立てて、思いっきり殴りつけたりすると、感情の開放にもなります。

 私の使っている抱き枕は、ポリエステル繊維というんですか、いわゆる普通のフワフワした枕です。抱いて寝るための専用の細長い特殊な形をした枕も売っているようですが、どれにするかは人それぞれです。

 しかし、もし、あなたが、ぜひクマさんの縫いぐるみを抱いて寝たいとなると……、まぁ、年齢的なことも考えたほうがいいかもしれません。あるいは、わざと思いっきり退行してみて、幼児化した自分の願望を見つめているのにはいいかもしれません。しかし、そこから抜け出せなくなる可能性も考慮に入れて、自分の責任で判断してください。


【関連ページ】
 [回復のための方法論]−[防衛機制のパターン]−[退行]


ホーム回復のための方法論