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妄想
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トンデモ本の世界
著 者:と学会・編
出版社:洋泉社
発行日:1995年 5月 1日 価格:¥1,600-
ISBN : 4896911660
まず、この本を編集した「と」学会の「と」とは何かと言いますと、「とんでもない」の「と」なのであります。
世の中には著者が真面目に書いた本であるにもかかわらず、ほかの人が読めば、とんでもない内容だったりすることがよくあります。この本では、そういうトンデモ本を大量に収集して、それを「と」学会のメンバーたちが、どこがどう「と」なのかについて解説しています。取り上げている本としては、たとえば「ナチスがUFOを造っていた」、「古代、アメリカは日本だった」、「超ノストラダムス平成大予言」などいった本が並んでいるのです。
この本は、こういう「と」な主張をたくさん紹介しているのですが、たとえば「高い山に登れば太陽に近づくはずなのに、逆に寒くなるではないか」、だから太陽は本当は熱くないのだ、というようなことを大真面目に主張する、れっきとした工学博士が世の中には存在するのです。あるいは、太陽の黒点は森林地帯であり、そこには動物が住んでいることが分かったと言う人や、中性子の形が歪むとガンになるとか、恐竜はノアの洪水で滅びたとか、アメリカの開発したレーダーに映りにくいステルス戦闘機は墜落したUFOのテクノロジーを使って反重力で飛んでいるとか、競馬の武豊騎手は反重力エネルギーを使って体を軽くしている等々いろいろなのが出てきます。
けっこう面白く読める本ですので、この本の熱烈なファンがたくさんいます。
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屋根裏に誰かいるんですよ
都市伝説の精神病理
著 者:春日武彦
出版社:河出書房新社
発行日:1999年 6月25日 価格:¥1,600-
ISBN : 4309242200
この本は、いわゆる「幻の同居人」と言われているタイプの妄想を中心に、具体的な症例を挙げながら書いています。
幻の同居人というのは正式な名称ではないのですが、一人暮らしの女性に多く見られる妄想のパターンで、屋根裏に誰かがひそんでいて、時々部屋に侵入してきては物を盗んだり、壊したり、置いてある物の位置を少しずらしたりするというようなことを訴えます。本人は、被害感情を持っているのですが、妄想分裂病ほどには深刻ではなくて、どこかしら幻の同居人となれ合っているような雰囲気が感じられたります。
精神科医である著者は、妄想や狂気にこだわりを持っていて、豊富な事例と共に、小説などに描かれた例もたくさん紹介しています。内容的にも、こなれた内容となっていて、しかも妙な臨場感があるために、読んでいると、こちらも少しおかしくなりそうです。(^^;
幻の同居人の他にも、座敷牢に関する考察や、宇宙語で会話する夫婦とか、興味深いことがいろいろと書かれています。そして、妄想に取り付かれた人たちの、痛々しい心の風景が見えてきます。
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不幸になりたがる人たち
自虐指向と破滅願望 文春新書 113
著 者:春日武彦
出版社:文藝春秋
発行日:2000年 7月20日 価格:¥660-
ISBN : 416660113X
この本も、上記と同じ著者による妄想に関する本です。
外見上はマトモに見える人でも、妙なジンクスにこだわったり、奇妙な考えや信念を持っていたりすることがあります。そういう日常的に見られる、非合理的で妄想的な思考や行動について、著者自身の体験談も含めて、豊富な事例をあげながら、分かりやすく解説しています。そして、こういった奇異な思考や行動のなかでも、自ら不幸を招いているとしか言いようがないようなケースについていろいろと紹介しています。中には、非常にグロテスクなケースも含まれていて、猟奇的な雰囲気もあります。この本も、上記の本と同じようにこなれた内容になっています。
それにしても、現在世界的に定着しつつある人格障害の分類については、「ことほどさように人格障害の分類は、いい加減というよりもむしろ文学的なものなのである」、と決めつけています。さすがというか、なんというか……。
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【 境界例と自己愛の障害からの回復 】
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