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統合失調症(精神分裂病)
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正しい理解と対処のすべて
編 著:福西勇夫
出版社:法研
発行日:2002年12月22日 価格:¥1,600- ISBN: 4879544558
この本は、おもに家族の人や周囲にいる人向けに、統合失調症(精神分裂病)について分かりやすく解説した本です。全部で十人の専門家が、専門別に分担執筆しています。
まず最初に、症状の説明から書き始めて、最近の患者は全体的に軽症化していることや、決して不治の病ではないのだということを解説しています。そして、患者さんへの対応の仕方や、どんな風に治療が行われるのかといったことや、薬の解説、どうやって病院に連れて行ったらいいのかという問題、さまざまな福祉制度などについて書いています。最後のところで、最新の研究成果について解説しています。
この本では、ごく一部の人たちではありますが、犯罪を繰り返す傾向の人たちについても書いています。
本の末尾に、専門家へのアンケート調査の結果が書かれているのですが、どうやら専門家の人たちは、十年以内に有効な治療薬が開発されるのではないかという、バラ色の未来を描いているのです。最近のDNAの研究には目覚しい進歩がありますので、そういう思いを抱くのでしょうね。しかし、こういった生物学的なアプローチだけで、発病の原因が解明できるのでしょうか。
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私たちはなにができるか
著 者:E.フラー トーリー
出版社:日本評論社
発行日:1997年 8月 5日 価格:¥2,600- ISBN: 4535560471
これは、アメリカで出版された解説本を翻訳したものです。全体的に、たいへん詳しく書かれています。
アメリカでの脱施設化がもたらした悲惨な現実、患者の内面や、症状の解説も詳しく書かれています。そして、分裂病と類似の障害についてもたくさん取り上げて解説しているのですが、境界性人格障害との関係について書かれた部分は「?」でした。
続いて、症状の経過についても、具体的な数字を挙げて詳しく解説しています。そして、病気の原因に関するさまざまな学説を紹介しているのですが、ここで著者は精神分析のことをボロクソに書いています。その次に、治療やリハビリテーション、本人や家族が知りたいことなどについて、それぞれ詳しく書いています。
著者は全体に物事を明快に割り切っていて、白黒をはっきりさせるような書き方をしていますので、こういった点が分かりやすい本として評価されているようです。まあ、たしかに明快で分かりやすいのですが、割り切っている分だけ、切って捨てるような言い方が、ときどき出てきます。
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精神分裂病を解く 筑摩新書361
著 者:森山公夫
出版社:筑摩書房
発行日:2002年 8月20日 価格:720¥- ISBN: 448005961X
この本は、あまり一般向けの本ではないと思いました。
著者は、この本の中で自説を展開しているようなのですが、残念ながら私には理解できませんでした。著者によりますと「病気とはすべて、人間生命体における『リズムと共鳴性』の障害なのです」--とのことです。しかし私は、読みはじめてすぐに「?」となりまして、それでも先に読み進んでいきますと、さらに「??」となってしまいまして、それでもさらに先に読み進んでいきますと、「???」となってしまいました。
精神病院の院長でもある著者は、膨大な知識をもとに、統合失調症というものを、迫害妄想の視点から新たにとらえなおそうとしているようなのですが、全体的に観念的で、混沌としていて、よく分かりませんでした。著者自身も「これがどの程度受け入れられるかについてはまったく自信がありません。結果を待つばかりです」と書いていますので、興味のある人がいましたら読んでみてください。
この本には、たくさんの症例が書かれていますので、統合失調症の具体的な症状を理解するには、いい本かもしれません。
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【 境界例と自己愛の障害からの回復 】
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