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依存症
本の題名をクリックすると、オンライン書店 Amazon.co.jp の、その本の紹介ページに行きます。

ギャンブル依存症
著  者:田辺等
出版社:NHK出版
発行日:2002年12月10日 価格:¥680

 この本は依存症のひとつである、ギャンブルへの依存について、具体的な症例をあげながら解説しています。パチンコや競馬などにはまってしまって、生活が破綻してしまうようなケースがたくさん書かれています。なかでもよくあるのが、ビギナーズラックと呼ばれている、初心者の幸運というやつを手にして、深みにはまっていくケースです。そのときの一獲千金の快感が忘れられずに、どんどん深みにはまっていって、やがて、やめられない止まらない状態になって、サラ金から借金をしてでも賭け事をするようになるのです。
 私が興味深く思ったのは、スポーツ選手もギャンブル依存症と似た症状を示すことがあるということです。スポーツも勝負事ですから、ギャンブルと同じような要素があるのでしょう。スポーツに没頭して、名選手と呼ばれるような実績をあげた人でも、それはただ単に依存症の結果であって、引退したら精神的に抜け殻のようになって、人生から転落していく人もいるのです。
 この本の著者は、依存症業界のひとつの定番として、もろにアダルト・チルドレン系の人ですので、後半の方では回復の方法として12ステップとか、ハイヤーパワー、イネイブリング、棚卸、などが語られています。


覚せい剤
  白い粉の恐怖   三一新書 931
著  者:室生忠
出版社:三一書房
発行日:1982年01月01日 価格:¥650 ISBN : 4380820130

 私は以前、覚せい剤中毒に関する本をたくさん読んだことがあるのですが、その中でも、この本が一番印象に残った本ですので、古い本ですが、紹介しておきます。
 覚せい剤の薬理作用や中毒症状、悲惨な結末などについて一通り書いているのですが、この本がほかの本と違うのは、たくさんの事例と共に、当事者たちの生の言葉がたくさん引用されている点にあります。普通こういった本では、読者の好奇心を刺激しないようにという配慮から、覚せい剤がもたらす快楽の部分については、あまり詳しく書かないのですが、この本では、たとえば覚せい剤を使ったセックスについて、その快楽におぼれてしまった人たちの言葉などがたくさん引用されていますので、なぜ覚せい剤が蔓延するのかということが、そのリアルな言葉とともに、実感として理解できるのです。
 このようにして覚せい剤の虜になってしまった人たちは、急速に覚せい剤から逃れられない体になってしまい、やがて財産のすべてを覚せい剤の購入に費やすようになり、中毒症状である幻覚や妄想に襲われるようになるのです。そして最後には、悲惨な結末が待っているのです。
 この本では、幻覚や妄想による殺人事件、通り魔事件、人質事件、放火事件、などの事例をたくさん紹介していますので、その悲惨な末路についても臨場感を持って理解できるようになっています。


アル中地獄
  アルコール依存症の不思議なデフォルメ世界
著  者:邦山照彦
出版社:第三書館
発行日:1989年 3月 1日 価格:¥1,236- ISBN : 480748902X

 この本がロングセラーを続けているのは、なんといっても内容が面白いからでしょう。アルコールが切れたときの幻覚のすさまじさには迫力があるのですが、中でも頭が爆発して脳味噌が飛び散るという幻覚や、鏡を覗き込んだときに悪魔が現れて、著者にカミソリで首筋の血管を切れと命令する幻覚は、まさに圧巻であります。
 精神病院に三十六回も入院して、日本一のアル中を自認する著者が、アルコールに魅入られた日々のことや、回復を目指して格闘し、やっとの事で断酒できたことなどについて書いています。依存症の凄まじい様子がたくさん描かれているのですが、アル中の人から見ると、田中角栄や石原裕次郎も、間違いなくアル中だと分かるそうです。
 アル中の同士諸君と、その家族のためにこの本を書いたそうなのですが、アル中でない人が読んでも面白いです。



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