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性的嗜好と逸脱
  本の題名をクリックすると、オンライン書店 Amazon.co.jp の、その本の紹介ページに行きます。
児童性愛者 ペドファイル
著  者:ヤコブ・ビリング
出版社:解放出版社
発行日:2004年10月20日 価格:¥2,000 ISBN : 4759260862
 
 この本は、デンマークのテレビ局の記者が、小児性愛者たちの実体を調査すべく、彼らの組織に潜入取材をして、番組を作り上げるまでの体験談なのですが、読み進むうちに小児性愛者たちの姿が徐々に浮かび上がってくる仕掛けになっています。
 著者は、小児性愛者のふりをして、「児童性愛愛好者協会」という団体に潜り込みます。途中で正体がばれるのではないかと、ハラハラする場面もあったり、組織の裏の繋がりが少しずつ明らかになってゆくあたりは、スパイ小説か推理小説のようでもあります。しかし、これらはすべて実際にあった話なのです。
 そして、2000年10月に、「デンマークの児童性愛者たち」という番組が放送され、大反響を巻き起こしました。潜入取材をした著者は、一躍時の人となったのです。
 この本に登場するのは、小児性愛者だけではなくて、幼いころに幼児ポルノに出演させらて、人生が狂ってしまった女性たちや、小児性愛者たちに搾取されているインドの子供たちも登場します。そして、著者自身もこういった異常な世界に潜入することによって、精神的にボロボロになって行くのです。
 この本は、あくまでも取材の体験談ですので「じゃぁ、どうしたらいいのか」という具体的な問題が欠けているのですが、それでも小児性愛者たちの考え方や行動パターンがよく分かりますので、いろいろと参考になるのではないかと思います。


カトリーヌ・Mの正直な告白
著  者:カトリーヌ・ミエ
出版社:早川書房
発行日:2001年11月 1日 価格:¥1,600- ISBN : 4152083786
 
 この本は、無数の男とやりまくった著者が、その奔放な性生活を、ありのままに告白した手記です。著者である彼女は、フランスの現代美術雑誌「アート・プレス」の編集長でもありまして、この本がフランスで出版されると、すぐにベストセラーになりました。文学性という面からも評価されていて、現在十九カ国で出版されています。
 彼女は十八歳で処女を捨てて、その数週間後には乱交パーティに参加しています。その後も頻繁に乱交を続け、一度に数十人の男を相手にしたり、十数台の車に分乗した男たちを従えて、輪姦する場所を探しながらパリの街をさまよったりしています。ブローニュの森では、彼女とやりたい男たちが群がって列を作り、彼女は足を広げたまま、次々と男たちの欲望を受け入れていきます。
 こういった乱交のエピソードをはじめとして、さまざまな男たちとの性体験、そして男たちの反応やあそこの形、体位や自分の感覚、屋外でのセックスや露出体験などについて、彼女はドライな文体を使って、実に淡々と描いていきます。そのほかにも有名な画家たちとどんな風にセックスしたのかということや、仕事中に同僚たちとどんな風にセックスしているのかといったことまで書かれています。まるで彼女には、プライバシーというものがないかのようです。
 これだけやりまくっていながら生活が破綻しなかったのは、美術界という特殊な環境や、彼女の才能と幸運、理解者の存在などによるのではないでしょうか。


(映画) ロッキー・ホラー・ショー
出演: ティム・カリー, スーザン・サランドン, その他
監督: ジム・シャーマン
DVD 価格:¥2,500-
 
 私は最初、ただのホラー映画だと思って映画館に入ったのですが、それにしては女子高生が多いなと思いました。映画が始まってしばらくすると客席から自然発生的に手拍子がわき起こり、何ごとかと驚いていると、主人公が登場するやいなや大歓声がわき起こり、クラッカーが鳴らされ、スクリーンに向かって次々と花束が投げられたのです。私はあまりの出来事に、しばらくの間スクリーンを見つめながら呆然としていたのであります。
 この作品は1973年にロンドンで初演されて大ヒットしたロック・ミュージカルを映画化したものです。ブロードウエイの舞台で上演されるときには、観客たちがそれぞれ登場人物の格好をしてくるので、どっちが舞台なのか分からなくなるそうです。
 物語は、結婚式を終えた若い夫婦が、恩師に結婚の報告をするためにドライブに出かけたのですが、雷雨の夜、道に迷ってしまい、ある大きなお屋敷に泊めてもらうことになりました。しかし、そこには怪しげな倒錯の世界が二人を待ちかまえていたのです。
 熱狂的なファンがたくさんいて、いまだに「怪」進撃を続けている、倒錯的、SF的、超B級、ホラー・ミュージカルです。


愛しのペット 獣姦の博物誌
著  者:ミダス・デッケルス
出版社:工作舎
発行日:2000年 6月 1日 価格:¥3,200- ISBN : 4875023308
 
 これはオランダで出版された本で、博物誌的な視点から獣姦について詳しく解説しています。まずローマ時代やギリシャ時代の獣姦や、キリスト教に見られる獣姦などから解説を始め、好色な類人猿と人間とのかかわり、女性を募集して人間と猿の合いの子を作ろうとした実験の話、半獣神の意味、獣姦裁判の歴史などについて、興味深い話を紹介しています。たくさんの図版が無修正のまま掲載されていて、日本の獣姦も出てきます。
 そして、後半では現代における獣姦について解説しています。動物同士のセックスを見るために頻繁に動物園にやってくる人のことや、ペニスの料理の話なども紹介しています。
 かの有名なキンゼー博士が獣姦についても調査を行っているのだそうで、それによると、当時のアメリカの男性の8%、女性の3.5%が慢性的に動物と性交渉を持っていたのだそうです。そして、精神科医による獣姦事例などを紹介し、人間とペットとの性的なかかわりについても具体例を紹介しながら解説しています。
 著者はなんでも獣姦に関連づけて考えてしまうようですが、それにしても、その膨大な知識には驚きます。




のぞき日記
 
著  者:山本さむ
出版社:ベストブック
発行日:1994年 7月 価格:\1,500-
ISBN : 4831492140
 
 変態業界では有名な山本さむ氏の、三十年間にわたる「のぞき」の体験談が書かれています。幼いころから、無防備な女性たちが周りにたくさんいたようで、小学生のころから覗きに目覚めたのだそうです。やがて、双眼鏡で覗くようになったのですが、アベックの性行為を覗いてからは本格的な覗きに目覚めてしまい、公園のアベックを求めて、さまよい続けるようになりました。そして、出会った覗き仲間のことや、覗きのエピソードなどについてたくさん書いています。
 幼いころの体験談などを読みますと、覗きの心理がなんとなく理解できるのですが、それにしても、執拗にトイレを覗こうとするあたりは、人間的な「浅ましさ」を感じてしまいます。しかし、この異常な執着心こそが、覗きの、覗きたるゆえんなのでしょう。のぞきの実態が良く分かる本です。
 現在、この本は入手できないようですが、この本に手を加えて「痴態覗き悦楽記」という題名で、2000年に河出文庫として出版されました。


凝視録
    為五郎 覗き・除き人生  
著  者:桑迫昭夫(くわさこ・あきお)、《聞き手》朝倉喬司
出版社:現代書館
発行日:1993年 1月20日 価格:\2,330-
ISBN : 4768466184
 
 桑迫氏は、母親から「お前なんか産むんじゃなかった」と言われ続けて育ったのだそうです。そして、家の中では従姉妹たちから除け者にされ、馬鹿にされ続けていました。やがて、桑迫氏は女たちへの復讐を決意します。女たちが隠している股間の秘密を覗くことによって、精神的な優越感を獲得しようとしたのです。しかし、覗きが発覚して味わった屈辱感。
 この本では、桑迫氏が自分の覗き行為について、哲学的に、文学的に、そして精神分析的に、その思いを熱く語っています。また、公園で覗き見た性行為についても、たくさんのエピソードを紹介しています。
 文庫本版は「盗視者」の題名で、1997年に幻冬舎から出ています。


痴漢日記
 
著  者:山本さむ
出版社:ベストブック
発行日:1994年 4月 価格:\1,500-
ISBN : 4831492078
 
 「痴漢」という病に犯された著者が、自分の痴漢人生を振り返っています。高校生になって、電車で通学するようになってから、車内での痴漢行為に目覚め、どんどんと深みにはまっていきます。そして、知り合いになった痴漢の仲間たちがたくさん紹介されています。
 この本を読んで驚くのは、痴漢たちは、時には集団で、こんなにも大胆なことをしているのかということです。そして、女性たちの反応も書かれています。怒って叫んだりする女性、感じて濡れてしまう女性、あまりにも大胆な痴漢行為にショックを受けて、茫然自失状態になってしまう女性たち、などが書かれているのですが、被害者たちの心理的なダメージが気になります。
 最後に、著者は「痴漢人生を歩んできて、得るものは何もないように思う」と書いています。
 この本は入手できませんが、著者の「痴漢の百科」は入手可能です。


性犯罪業カタログ
 
著  者:辰見拓郎
出版社:データハウス
発行日:1996年 3月 1日 価格:\1,300-
ISBN : 4887183720
 
 世の中には、性的に変わった趣味を持っている人がたくさんいるようでして、しかもお金もたっぷりと持っているとなると、そういう人たちを相手に商売をしてみようと考える人が出てきます。そして、裏の社会では、日夜、現実離れした、異様な世界が展開しているのです。仕組まれた本物のレイプ、病院の霊安室で遺族の知らぬ間に行われた死姦の値段、性病感染請負業、猟奇....。
 著者は広告代理店に勤務していたころ、お客の接待で、金にものを言わせて遊びまくっていたので、こういう世界には通じているようです。この本では、著者が実際に体験したものや、広告業界の情報収集力を駆使して調査したものなど、さまざまな逸脱した性風俗が紹介されています。人間の心に潜む闇の深さや、社会の裏側を知るのに参考になります。


電話相談とセックス通話者
  その陰の部分に光を
著  者:ヴァンダ・ウォーク
出版社:川島書店
発行日:1999年 8月30日 価格:¥1,800-
ISBN : 4761006978
 
 この本は、電話相談などを行う際に、女性の相談員が必ずと言っていいほど直面する、いわゆる「セックス通話者」について、その見分け方や対応方法について、具体的な例を挙げながら分かりやすく書いています。
 セックス通話者とは、電話で異性の声を聞きながらオナニーをする人たちのことです。なかには女性のセックス通話者もいますが、ほとんどは男性です。特徴としては、相談の内容がはっきりしない、質問をはぐらかして話を長引かせようとする、相談員に対して性の話をさせようとする、架空の性体験を相談する、同じ相談を何度もしてくる、そして、通話中にもかかわらず自分が射精して満足してしまうと、突然一方的に電話を切ってしまう、などがあげられます。このようなセックス通話者をタイプ別に分類して、それぞれのタイプごとに具体例を挙げながら、その見分け方や、どのように話を運んで行ったらいいのかということを解説しています。そして、電話相談員に応募してくるボランティアの女性たちへの訓練方法についても、具体的なやり方が書かれています。



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